吹奏楽部出身の方などに人気の職業、消防音楽隊。日本にはプロのマーチングバンドは1団体しかないそうで、パレードやステージドリルをやりたいという方は公務員の音楽隊に入るしかないようです。この記事では、消防音楽隊の仕事内容や年収から、警察音楽隊・自衛隊の音楽隊との違いなどを徹底的に解説します。
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消防音楽隊の仕事内容
消防音楽隊は、音楽を通じて地域住民との融和をはかり、 消防広報や防火・防災啓発を目的として消防士等によって編成されている音楽隊です。定期演奏会や、各種イベントでの演奏活動を通して地域住民の防災意識の啓発を図っています。
また、このような本番に向けての実技練習も訓練の一環となっており、勤務時間に含まれます。その他、音楽隊内の事務作業等も隊員自らおこなっているようです。兼務隊と専務隊があり、それぞれ仕事内容も異なります。
専務隊の仕事内容
専務隊は音楽活動を専門としているプロの吹奏楽団であり、演奏活動とそのための実技訓練が主な仕事です。現在、全国で専務隊として運営しているのは、東京消防庁、札幌市、さいたま市、千葉市、川崎市、横浜市、名古屋市、京都市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市の12都市のみとなっています。
兼務隊の仕事内容
兼務隊は音楽隊としての広報活動と消防士の通常業務を兼務しています。消防音楽隊の大半は兼務隊となっており、全国に約150団体ほど存在します。消防士とともに消防団員や一般市民を採用している自治体もあります。
消防音楽隊の年収
兼務隊の場合は消防士としての採用となり、初任給は高卒で16万円、大卒は19万円ほどのようです。
専務隊の場合は身分上は消防職員となりますが、嘱託職員という位置づけになる場合が多く、その場合の給料は兼務隊よりも低くなります。
消防音楽隊に所属する方法
消防音楽隊に所属する方法は兼務隊と専務隊で異なります。
兼務隊の場合は、消防士の採用試験に合格すれば音楽の実技試験はなく、音楽大学を出なくても入ることができるようです。消防庁音楽隊のQ&Aにも「音楽大学卒業生のほか、高校まで吹奏楽部員、一般大学の吹奏楽サークルに所属していた者が在籍しています。どの隊員にも技術向上は不可欠なので、音楽大学の先生や音楽業界の第一線で活躍しているプロの方を講師としてお招きし、指導していただいています。」と記載があり、採用後に演奏活動のための研修が受けられるようです。
専務隊の場合は、嘱託職員採用試験として楽器ごとに募集があります。試験内容は実技試験や体力測定などです。
消防音楽隊のメリット・デメリット
消防音楽隊の兼務隊の場合は、音楽大学を出なくても入隊できるところがメリットといえます。しかし、メインの仕事は消防業務ですので、練習は勤務時間外というところもあるようです。
専務隊の場合は、楽器のプロとして就職できるので、実技練習も訓練時間に含まれますが、嘱託職員となるため、任期があったり、給料がその分低くなるところはデメリットと言えます。
まとめ
音楽大学を出ずに演奏の仕事につきたい場合、警察・自衛隊と比べて消防音楽隊は比較的入隊しやすいようです。しかし、部活動レベルのところから仕事として音楽隊に入隊できるところまで都市によって様々なようなので、事前に演奏会を聴きに行ったり、Webサイトで勤務内容を調べるなどして、就職後にギャップを感じないように下調べをして自分のレベルに合った音楽隊を探しましょう。
専務隊の場合は、お給料は多少安くなりそうですが、確実に練習時間を確保できるところは魅力です。
マーチングバンドとして働ける数少ない就職先です。吹奏楽が好きで仕事にしたいという方にはとても魅力的な仕事だと思います。せっかく素晴らしい演奏技術を持っていても、消防士の採用試験に合格しなければ音楽隊に入ることができないので、筆記試験や論文等の対策も忘れずに行いましょう。