これから音楽の勉強を始めようという方にとっては馴染みのない言葉かもしれませんが、ソルフェージュは演奏の基礎を身につけるために欠かせない訓練です。音大入試の要項を見て初めて知ったという方もいるのではないでしょうか?
この記事では、ソルフェージュの概要、学習の目的、音大受験をするにあたっての勉強方法などを徹底的に解説します。
おすすめ
- 音楽の道に進むことを見据えてソルフェージュについて知りたい人
- 音楽大学への進学を考えているがソルフェージュの勉強の仕方がわからない人
ソルフェージュとは?
ソルフェージュの語源は、「ソからファまで」を意味するフランス語です。つまり、ソルフェージュとは全ての音を楽譜から正しく読み解く訓練です。音楽大学の入試では必ず出題される科目であり、入学後も必修科目として学び続けることになります。ソルフェージュ能力は、演奏者を志す人にとって、それほど重要な能力を身につける訓練なのです。
ソルフェージュの目的は?
ソルフェージュはなぜ必要なのでしょうか?その目的は、楽譜の読み方や音楽理論の基礎を身につけ、音楽を奏でるときの表現力をより向上させることです。
クラシック音楽は、再現芸術であり、基本的に作曲家の意図を反映した演奏をすることが大切とされています。作曲家の意図は全て楽譜に書かれており、楽譜を理解して演奏すれば、
リズムや運指、最適な表現方法を用いて、聞き手に一層伝わる演奏ができるようになります。
説得力のある演奏をするためにソルフェージュ能力は必要不可欠です。
ソルフェージュの効果は?
前述のとおり、ソルフェージュの訓練をすることで、楽譜を正確に読み解く力が付きます。それだけではなく、下記のような能力も身につくため音楽の学習がよりスムーズになります。
●絶対音感が身につく
●楽譜を初見でスラスラ弾けるようになる
●耳コピができるようになる
●音やリズムを聞き取る力が向上し演奏の正確性が上がる
ソルフェージュは何をする?
ここでは音楽大学の受験に必要なソルフェージュの項目について解説します。
聴音
聴音とは音を聴いて楽譜へと書き起こす能力のことです。聴音のトレーニングには、旋律聴音と和音聴音の2つの種類があります。 旋律聴音は、ピアノで演奏されたメロディー(単一、または複旋律)を五線譜に書いていく訓練です。 和音聴音は、ピアノで演奏された和音を聴き分け、五線譜に書いていく訓練です。
新曲視唱
新曲視唱は、読んで字の如く楽譜を初見で正確に演奏する能力を養います。音大入試では1〜2分の予見時間が設けられ、8小節ほどの曲が出題されます。
コールユーブンゲン
ドイツ人の音楽家フランツ・ヴュルナー(Franz Wüllner 1832 – 1902)が1876年に書いた「合唱教本」です。
全42章にわけて、音楽を形作る旋律やリズム、音楽記号、音程、拍子などがバリエーション豊かに提示され、さまざまな練習曲とともに紹介されています。
音楽大学の入試でもこの教本から出題されますので、受験を考えている方は学習必須です。
楽典
楽典とは、音楽の基礎的な理論のことです。楽譜の読み方、書き方、楽譜からの情報の読み取り方について学習します。
音大受験におけるソルフェージュの勉強方法
音楽大学の受験にあたり専攻楽器以外の勉強を始めた方にとって、ソルフェージュは大きな壁となっているのではないでしょうか。
ソルフェージュの勉強をはじめたものの、なかなかソルフェージュ能力が伸びず、挫折してしまう人も多いようです。
ソルフェージュの対策はいつから始めるべき?
音楽大学に入学する人の中には、3歳ごろから目標とする音大を決めて対策を始める人もいます。ソルフェージュは数をこなし慣れることが大切なので、早く始めるに越したことはありません。
音楽大学への進学も視野に入れている方は、思い立ったが吉日で、なるべくはやく学校の音楽の先生やピアノ教室の先生に相談してみてください。
しかし、なかなか進路が決まらずスタートダッシュが遅れてしまった人もいるかもしれません。高校3年生から始めて、音大入試に間に合うのだろうか?と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
結論、遅いけれど手遅れということはないと思います。もちろん、3歳からピアノやソルフェージュを学んでいる人のようなレベルに達するのは無理かもしれませんが、効率よく勉強すれば音楽大学の入試を突破することは不可能ではないと思います。
無謀だと思っても、まずは学校の音楽の先生や、ピアノを習っている人であればピアノの先生に相談してみましょう。
ソルフェージュの効果的な勉強方法
音楽大学入試対策としてのソルフェージュの勉強法は、レッスンに通うことをおすすめします。
理由は2つあります。1つ目は、出題傾向を熟知しているプロの先生に教えてもらうのが効率的ということです。2つ目は、聴音や新曲視唱は、初めて聴く曲を楽譜に起こしたり、初めて見る楽譜を性格に歌う訓練なので、問題の答えを知っていると意味がないからです。
独学で学ぶとしたら、一緒に音大を目指している友達がいるなら、問題集を買って出題しあってみるのも良いかもしれませんし、CD付きの問題集を買って解いてみるのも1つの方法です。また、YouTubeでソルフェージュの問題をアップしているチャンネルもあるので、こちらを活用してみるのも良いと思います。
レッスンには月謝もかかるので、進路選択まで時間がある人でしたら、まずは独学でやってみて、ソルフェージュとはどのようなものかを体験してみても良いかもしれません。
まとめ
ソルフェージュは演奏者としての基礎を身につけるために必要不可欠な訓練です。この記事は、音楽大学入試を検討している人向けに書きましたが、ソルフェージュは音楽を学ぶすべての人にとって役立つ訓練です。これを学ぶことで、もっと音楽が楽しくなると思いますので、音楽を趣味とする大人の方も、大学入試まだまだ先という幼稚園児の方も、トライしてみてはいかがでしょうか。