吹奏楽部出身の方などに人気の職業、警察音楽隊。日本にはプロのマーチングバンドは1団体しかないそうで、パレードやステージドリルをやりたいという方は公務員の音楽隊に入るしかないようです。この記事では、警察音楽隊の仕事内容や年収から、消防音楽隊・自衛隊の音楽隊との違いなどを徹底的に解説します。
このような人におすすめ
- 警察音楽隊に就職したいが目指し方がわからない
- 警察音楽隊を目指したいが音楽大学に行くべきか悩んでいる
警察音楽隊の仕事内容
警察音楽隊の目的は、音楽を通じて警察に対する国民の理解と信頼を深めることです。交通安全パレードや学校や施設での広報演奏、定期演奏会等をおこなうことで警察の広報活動をしています。また、このような本番に向けての実技練習も訓練の一環となっており、勤務時間に含まれます。その他、音楽隊内の事務作業等も隊員自らおこなっているようです。
現在、警察音楽隊は47都道府県+皇宮本部警察隊音楽隊の48団体あります。兼務隊と専務隊があり、それぞれ仕事内容も異なります。
専務隊の仕事内容
専務隊は音楽活動を専門としているプロの吹奏楽団であり、演奏活動とそのための実技訓練が主な仕事です。専務隊として運営している音楽隊は全国に11団体あり、北海道警、埼玉県警、警視庁、千葉県警、神奈川県警、静岡県警、愛知県警、京都府警、大阪府警、兵庫県警、福岡県警となっています。
兼務隊の仕事内容
兼務隊は音楽隊としての広報活動と警察官の通常業務を兼務しています。上記の11団体以外は、兼務隊として運営しています。
警察音楽隊の年収
初任給は高卒で16万円、大卒は19万円ほどのようです。警察官または警察事務官としての採用となりますので、定年まで安定した収入を得ることができます。
警察音楽隊のメリット・デメリット
警察音楽隊は公務員ですので、プロの演奏家として定年まで安定した収入を得ながら働ける点はメリットです。オーケストラ団員を目指している方も、欠員が出るまで警察音楽隊として働き、オーディションが行われるタイミングを待って転職するという戦略も考えられます。また、音楽大学を卒業しなくても希望すれば配属される可能性がある点と、マーチングバンドとして働ける数少ない就職先というところも魅力です。
デメリットは、採用後は必ず3年間程度の交番勤務があるので音楽家としてのブランクができてしまうことと、必ずしも希望楽器に配属されるとは限らないということです。
しかし、楽器演奏を仕事にできる就職先は限られているので、多少のブランクも長い目で見たら大きなデメリットではないかもしれません。
警察音楽隊に所属する方法
警察音楽隊に所属する方法は各都道府県ごとに異なりますが、基本的には警察官又は警察事務職員の試験を受けて合格する必要があるようです。その後、警察学校での訓練や交番勤務を経て、本人の希望や適性を踏まえて音楽隊に配属となります。
神奈川県警等は欠員が出た際に楽器ごとの募集があります。技術職員採用試験として、一般教養の筆記試験、実技試験(自由曲)、体力検査、面接等で選考しています。次年度4月の採用に向けた選考申込みが6月~7月頃に開始となるので、この時期は各警察音楽隊の採用ページをチェックしておきましょう。
演奏のレベルとしては、必ずしも音楽大学卒業の必要はなさそうですが、音楽大学の就職先としても人気があり、場合によってはオーケストラを超える100倍もの倍率になることもあるようなので、最低限レッスン等は受けておいた方が良いと思います。
警察官として採用されるためには、一般教養、論文、体力テスト、面接等がありますので、こちらも対策が必要です。
様々な採用方法があるので、公式Webサイトにて確認するのが確実です。専用の問い合わせ先があることが多いので、電話をして「音楽隊の採用についてお伺いしたいのですが」と聞いてみるのも良いと思います。また、受検資格として17歳から30歳までの年齢制限があるので注意しましょう。
まとめ
警察の音楽隊は、マーチングバンドとして働ける数少ない就職先です。吹奏楽が好きで仕事にしたいという方にはとても魅力的な仕事だと思います。せっかく素晴らしい演奏技術を持っていても、警察官の採用試験に合格しなければ音楽隊に入ることができないので、筆記試験や論文等の対策も忘れずに行いましょう。