この記事では、”音大生の憧れ”国内のプロオーケストラの仕事内容や必要なスキルなどを徹底的に解説します。
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日本国内のプロオーケストラの仕事内容
オーケストラ団員のやりがいは、大きなコンサートホールで沢山のお客様に感動を与えられること。主な仕事内容は、所属するオーケストラのコンサートで演奏することです。公演に向けた練習やリハーサルも勤務時間に含まれています。
日本国内のプロオーケストラの主な収入源は、クラシックコンサートの演奏料です。全国に30団体ほどあり、自治体や放送局、芸術活動に力を入れる企業が運営しています。長引く不況や新型コロナウィルスの影響で経営難に陥っている団体も多く、民間の寄付や国・地方自治体の支援で成り立っている状況のようです。
一見華やかに見えるオーケストラの仕事ですが、団員自らがSNS等を活用して宣伝をしたり、より多くのお客様に楽しんでいただけるよう地道な努力もしているようです。
音楽を広めるとても素晴らしい仕事ですが、「音楽が好き」という強い気持ちがなければ続けていけない仕事と言えます。
日本国内プロオーケストラの勤務形態
プロオーケストラ団員の出勤日数はその月に開催されるコンサートの数によってことなり、少ない月は10日ほど、多い月では20日を超えることもあるようです。会社員と同じで有給や長期休暇も取れますが、休みの日でも、公演に向けて練習をしたり譜読みをしたり、木管楽器の場合はリードを削るなどの作業も発生する為、休日と仕事の線引きは難しいようです。
日本国内プロオーケストラの年収
オーケストラ団員の多くは、サラリーマンと同じ月給制です。N響、読売日響、都響は年収700万円以上となっていますが、その他のオーケストラでは年収400~500万円程度が一般的となっており、地方のオーケストラでは250万円を下回るところもあるようです。首席奏者やインスペクター、特殊楽器などには手当もつきます。
また、副業もOKとなっているので、楽器の講師やソロの演奏、他団体へのエキストラ出演などで収入を得ている人も多いようです。
プロオーケストラ団員を目指すメリット・デメリット
プロオーケストラに入団するメリットは、会社員と比べて拘束時間が少なく安定した収入が得られる点です。しかし、プロオーケストラのオーディション倍率は少なくとも40倍、100倍を超えることもあるという狭き門です。さらに、欠員が出ない限り募集もかからないので、極端な話し生きているうちにチャンスすら来ない可能性があるということは念頭に置いておく必要があります。
日本国内のプロオーケストラに所属する方法
日本国内のプロオーケストラに所属するには、オーディションに参加する方法が一般的です。応募条件として、師事する先生などの推薦状が必要な場合もあるので、音楽大学へ進学してクラシック音楽の知識や楽器の技能を磨くことはもちろん、コンクール入賞や海外留学、大学で優秀な成績を修めるなど、推薦していただけるだけの実績が必要となります。
また、現在の国内プロオーケストラの殆どが終身雇用制となっているため、定年や退団による欠員が出ない限り募集はかかりません。極端な例ですが、現在の団員の年齢が40歳とした場合、定年の65歳を迎えるまで25年です。たとえ、現在22歳で才能にも恵まれ応募条件を満たしている人がいても、47歳になるまで募集がかからないということです。
ヴァイオリンやヴィオラなどは若いうちにチャンスが巡ってくる可能性もありますが、管楽器や打楽器は狭き門と思った方が良いと思います。
近年は終身雇用制に代わって、3年間の契約楽員制度を採用し、能力・業績評価による年俸制に移行する楽団も増えているようなので、チャンスが増える可能性もあります。今後、契約楽員制度が主流となる可能性もあるので、常にアンテナを張って情報収集をしておきましょう。
オーケストラの団員を目指す際には、実力や人脈だけでなく自分の努力ではどうにもならない”タイミング”の問題があります。
チャンスが来るまでどのようにして収入を得るか、もしオーディションに落ちた場合、どのように生きていくのかも計画しておくことが大切です。
国内のプロオーケストラ一覧
2022年10月現在、日本オーケストラ連盟に加盟している国内のプロオーケストラは正会員25団体、準会員13団体の計38団体です。
下記のリンクから日本オーケストラ連盟のWebサイトを見ることができますので、どのような団体が加盟しているか、チェックしてみてください。
日本オーケストラ連盟のWebサイトから加盟団体のオーディション情報も見ることができます。オーディション情報のページから各団体のWebサイトにアクセスできるので、こちらで募集要項やオーディションの内容も確認できます。
まとめ
現実的な記事となってしまいましたが、プロオーケストラは沢山のお客様を感動させる素晴らしい仕事です。チャンスはいつやってくるか分からないので、常に情報収集を怠らず、チャンスが来た時に対応できるように準備しておくことが大切です。
逆を言えば、準備期間は数年単位で取れると思いますので、会社員や公務員の音楽隊として就職して安定した収入を得ながら募集がかかるタイミングを待つというのも一つの戦略かも知れません。一度きりの人生ですので後悔しないように、リスクヘッジしながら夢を追うことが重要と言えます。